夏色の約束。~きみと生きた日々~


また、泣きたい気持ちになっちゃって、弱いなつはきっと泣いちゃうから。


海へは行きたくなかったんだけどな……。


みんなから少し離れた場所に座っているあおちゃんをチラッと盗み見るけど、あおちゃんは一度もこっちを見ようとしない。


………そうだよね。


あおちゃんはなつのこと、フったんだもん。


あの日の出来事なんて、日常の一部にすぎないよね。


なつの誕生日なんか、どうでもいいんだもんね。


そんなこと分かってたはずなのに、想像してた以上につらかった。


胸が、今にも押しつぶされてしまいそうなんだよ。


なつは現実から目を背けるようにぎゅっと目を瞑ると、口元に無理やり笑みを作る。
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