夏色の約束。~きみと生きた日々~


「なっちゃん。毎年、こうしてお互いの誕生日をお祝いしよっか?」

「お祝い?」

「うん。毎年毎年、誕生日がきて大きくなれたら、お祝いするんだ。そしたらね、俺がまた一年頑張って生きた、ってことになるでしょ?」


あおちゃんはそう言って、なつの目を見てにこっと笑った。


「……そうだね。じゃあ、そうしよう!毎年、お互いの誕生日をお祝いしようね」

「うん、約束だよ」


なつたちはこの日、壮大な島の海に見守られて、ある約束を交わした。


“毎年、お互いの誕生日には砂浜で誕生日パーティーをする”っていう、約束を。


なつとあおちゃん。


これからもずーっとふたりで大きくなれたらいいなって、そう願わずにはいられなかった11歳の春───。


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