バラとチョコレート(X'mas 仕立て)
「でもカヲルさんにはずっと傍にいてほしくて、俺が一人前になって、いつか自分の店を持ったら、カヲルさんにはそこでチョコレートのお菓子を作ってもらいたいと思ってるワケ・・・です」
照れながらたどたどしく、言葉を選ぶ諭にじんわりと胸が温まっていくのが解った。
一生懸命に思いを伝えようとしてくれていることが、彼の描く未来の中に私も存在していることが嬉しかった。
愛しくて、諭をぎゅっと抱きしめた。
「ありがとう。宝石ならたくさん貰った。ここから見える1つ1つの光の粒が、私には宝石に見えるの」
諭はほっと息を吐くと、私の腰に手を回す。
諭の冷たい鼻先がマフラーから覗いた首筋に当たる。
「カヲルさんの匂いがする。甘いチョコレートの香り、俺の世界一好きな匂い」
会いたかった。
抱きしめたかった。
キスしたかった。
口にしなくても、諭の気持ちが解った。
不安になったりして、バカみたいだと反省する。
諭も私を想ってくれているのに。
心はずっと繋がっていたのに。
諭が身体を引き離し、私たちは見つめ合った。
ゴールドの宝石の輝きを背景に、私たちは長いキスをした。
「初めてワガママ言ってもいい?」
「何?」
「今日は諭の部屋に泊めて」
諭の顔が綻ぶと、「よかった。帰るって言ったら、帰さないって言うつもりだったから」そう言って微笑んだ。