記憶
あーあ…
隼人、完全に負けたんだ。
自分で分かってんじゃん。
おっかし。
「では次、Ms.ヒロセ~」
「あっ、はい!」
急に呼ばれてびっくりしたあたしは、何故かゴツンと膝をデスクにぶつけてしまった。
「ったぁ~…」
「…おい、バカ衣子。」
「バカですって?!…
…は、隼人」
振り向こうとした。
誰があたしをバカだと罵ったのかを確かめるために。
けれどそんなの、しなくたって。
すぐに分かった。