闇ピエロの不思議な舞い【8ページ完】
― 隣のベットは空だった


「ジャスミンどうしたの?」
お母さんが不思議そうに訪ねる


「・・・隣に入院してた人は?」
「お隣?ここ2週間ベットは使われてないわよ?」
看護婦さんが答えた
「違うの。あたしが手術した前の日の・・・」



看護婦さんの表情が暗くなる

「・・・ジャスミンちゃんと同い年くらいの男の子が、喉の病気で入院してたの」
「退院したの!?」
ジャスミンが笑顔になる
そっか!だから反応がなかったんだ



でも看護婦さんの様子がおかしい

「ジャスミンちゃんと同じ日に五回目の手術をして・・・お友達だったの?」














はじめ、看護婦さんが何を言っているのか、ジャスミンにはわからなかった


でもお母さん、お父さん、先生・・・みんな悲しそうな顔をしている



























― てのひらの鈴を見た



ちいさなちいさな、鈴だった・・・



見える様になった瞳に涙が溢れてきた



ジャスミンはいつまでも、いつまでも泣いていた

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