ド天然!?魔女っ子の秘密
「……い、や……」


涙は止まることなく、引力に逆らうことなく、ぽたぽたと落ちてゆく。



「由良!?どうしたの!?」


美玲の声が遠くの方で聞こえたような気がしたけど、今のあたしにはよく分からなかった。



どうして…?


どうしてこんな残酷な未来が待っているの?


あたし、死ぬの?

ねぇ、翔太に殺されて死ぬの?

仕事を終わらせる前に死んでしまうの?


隣で眠る翔太の横顔を盗み見た。


無邪気で、綺麗な、寝顔。


涙が溢れてくる。



『……我は、"サファイア"を創りし者…』


未来の翔太が言っていた言葉。



悲しいのか、苦しいのか、切ないのか、辛いのか、むなしいのか、怖いのか。


いろんな感情が重なり合ってもう、訳が分からない。


自分の感情なのに、制御することができない。



『お前は、魔物だ』

脳内に響く誰かの声。


それを聞いた瞬間、多分、あたしは壊れたんだと思う。


「…いやああぁぁぁぁ‼‼」


あたしは発狂した。


涙が止まらない。



あたしの涙を受けた水晶玉が砕けた。
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