ド天然!?魔女っ子の秘密

「先代柏木ソフィアに代わりまして、私、柏木翔太が"サファイア"の当主に就任いたしました」

ワァァと歓声があがり、皆が翔太に拍手を送る。

その音で現実に戻る。


翔太、当主になったんだ…

まぁ、この前まで仮当主していたんだしね。

当然のこととも言えるけど、それにしてもこれは凄い。


あたしと同い年で世界第2位の"サファイア"の当主になったなんて、本当に尊敬しちゃうよ…


「当主に就任しましたけれども、私はまだまだ未熟者であります。
どうかご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします」

翔太はお辞儀をした。

顔を上げたその顔は凛としていて、さらにカッコイイななんて思ってしまった。


でもそれはあたしだけではないようで。

会場中から女の子たちの黄色い悲鳴が発せられる。


そして会場に灯りが戻り、またパーティは続くようだ。


「翔太、凄かったね」

美玲が話しかけるので、あたしは頷いた。

「本当に凄い…」

でも、少し心配もあるんだ。

それは翔太が当主の仕事をちゃんとできるのかなってことではなくて、頑張りすぎちゃうんじゃないかなってこと。

ああ見えて一生懸命だから、過労で倒れたりしないかなって不安になる。


「由良？」

美玲があたしの顔を覗き込む。

「あ、ごめん。何でもないよ！」

「そう…おなか減ってない？何か食べよう！」

「うん！」

このパーティはバイキング形式で、おいしそうな料理や飲み物も沢山置いてあるんだ。

デザートも充実していてすごく美味しそうなケーキやフルーツも何十種類もあったから楽しみ！