ド天然!?魔女っ子の秘密
「「由良!」」

しゃがみこんでしまったあたしの傍に、二人が駆け寄ってくれた。


「酷い怪我!」

「おい、大丈夫か!?」

心配そうな必死な顔が、視界に映る。

「翔太は…?」


生きてるの?

魂は無事?

傷なんてついてないよね?

大丈夫だよね?

生きてるよね?


不安のせいで心拍数は加速する一方。


「翔太は無事よ!」

「由良が救ってくれたからな!」

「さっき由良がサファイアの魂と話しているとき翔太の状態を調べたけど、ちゃんと魂も戻っていたわよ。今はまだ眠っているけど、もうすぐ目を覚ますから」

あたしを安心させるように、美玲はあたしの手を握りしめた。


「本当に、生きてるの…?」

あたしの問いに、二人は目にいっぱい涙を溜め微笑んで頷いている。


あぁ、良かった…

全てが報われたような気がした。何だか涙が出そうになった。


「千沙さんは…?」

あの時、サファイアから凄い攻撃を受けていたよね。大丈夫かな…?

「大丈夫よ、千沙さんも生きてるわ。怪我もちゃんとあたしが治癒したから、安心して」

「ありがとう…」

魔法薬屋の娘の治療なら間違いないね。

「隊員さん達も全員無事だと連絡があったぞ!」

「本当に…?」


良かった、あの隊員達も無事だったんだ…

また会ったらありがとうって伝えなきゃ…



あぁ…皆が生きてる…

サファイアを含めた皆を、救うことができた…
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