Treasure~もう一度、恋~
「…お母さん?なんで、泣いてるの?」




目を覚ますと、心配そうにあたしを覗き込む陽斗がそこにいた。





「…なんでもないよ。夢を、見てただけだから…」




最近は、見ることのなかった夢

愛していた、彼の――――。




「先生、またガイドワークスの木村さんがみえてますけど…」

「…昨日も来てたんだよね?」

「ハイ。ほぼ毎日です。」

「…」




さすがに、こうも足繁く通われると、居留守は使いづらい。




「応接室に通してくれる?」




はっきりと、会って断った方がよさそう。

そう思ったあたしが、間違いだった。









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