Treasure~もう一度、恋~
夢を、見ていた

あの頃の夢だ





「ただいまー!」

「おかえりなさい、お腹へったでしょ?」

「有希、聞いてくれよ!」

「え?…きゃあ!」



彼は帰ってくるなりあたしに抱きつくと、

息が止まるくらい強くぎゅーっと抱きしめた。



「ど、どうしたの?」

「映画、決まりそうなんだよ!」

「…本当に!?」

「ああ、この前のドラマ見ててくれた監督が、俺のこと推してくれたんだ!」

「よかったね…!おめでとう!」




あたし達は、時間も忘れて喜び合った。

彼の夢は、あたしの夢だった。




「ん…」




彼の大きな手のひらが、あたしの身体を優しく撫でる。

何度も角度を変えながら、キスを繰り返す。



「あっ…」

「有希、ごめ…今日はちょっと、余裕ないや…っ」



彼が、性急にあたしの中へと入ってくる。

焼けるような熱さの中に、痺れるような甘さを感じる。



「有希、愛してる…っ」

「あたし、もっ…、」



ずっと、一緒

これからも、ずっとずっと



そう、願っていた





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