Treasure~もう一度、恋~
日曜日、あたしは陽斗を連れて近くの公園に来ていた。

日差しが温かくて気持ちいい。

陽斗も、楽しそうにブランコに乗ったり、滑り台をすべったりしている。

あたしは、公園のベンチに座ってそれを眺めていた。

陽斗のすぐそばには、平澤くんの姿があった。




「佑介くん、今度はジャングルジムだよ!」

「おう!」



きっと、はたから見れば

あたし達は、幸せな家族にみえるんだろうな



「…っ」



脳裏によぎるのは、瞬のこと

もしも

瞬とこんな風に、家族になれたら

どんなに幸せだろう




そこまで考えて、あたしは頭を振った。

馬鹿

そんな途方もない夢、見ちゃダメだ

瞬は、国民的な俳優で、まだこれからがある人で

家庭とか、家族という枠にはめていい人じゃない。



陽斗を産む時に、決めたはず

ひとりで産んで、ひとりで育てるって

陽斗は、瞬の子供じゃない



あたしの子供なんだって





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