5年目のクリスマス
ブルーのネクタイをしていたというその男性の告白はうまくいったんだろうか。
クリスマスの日に告白して振られたのなら、かなり落ち込むはずだ。
思いが通じていればいいのに。
そう思った途端、くすっと笑ってしまった。
人の事どころじゃないのに。
私なんて、これから何がどうなるのかすらわからなくて、体中がどきどきと震えて痛みもあるというのに。
それでも、ブルーのネクタイをしているという人には幸せになって欲しいと思ってしまう。
ブルーのネクタイは、私にとっては悲しい思い出。
せめてその人には報われてほしいと思う。
『ブルーのネクタイは、俺には似合わないんだよな』
先輩からそう言われて突き返された思い出が、また蘇る。
ちょうど一年前、たまたまクリスマスを先輩と一緒に出張先で過ごすことになり、緊張しながら手渡した私に向けられた切ない言葉。
『志奈子からのクリスマスプレゼントを欲しがる男なら他にいるだろ?』
追い打ちをかけるようなその言葉は、私がネクタイに込めた想いを踏みにじるものだった。