air-s Word
新生活、は。


夢を、見た。
…まあ、夢を見ている最中はそれが“夢”だとは思わないのだけど。


僕は笑っていて、普通に、楽しそうに話していた。その“普通”は何の心配も孕んではいなかった。


直が「葉と友達になれてよかった」と言うから僕は嬉しくて「本当に?」と答えた。


僕の声は静かで、何の変哲もないものだった。


けれど、夢は夢だからさ。
醒めゆくものだから、夢なのだ。


「本当。…だからさ、約束してよ葉。君だけは僕を見捨てないってさ。何があってもどうなっても君は僕の味方だって」


どうしてそんなことを言うんだと疑問に思った。
そんな状況下になることはないだろうに、と疑問に思う。
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