air-s Word

『あの、』とノートに書こうとペンに手を伸ばした所で雫と目が合った。



「ご、ごめん葉君!
……拓!言いあってる場合じゃないよ!康野と菜々呼んで来なきゃ。
菜々部屋から出てくれるかな?…拓が行ったんじゃ絶対泣かせることになりそうだから、私が呼んでくる!」



「ちょ、雫、待てって」



有島君が止める間もなく、雫は長い髪を揺らしながら部屋を出ていってしまった。
「おーい!康野ー」という声が反響しながら遠ざかっていく。
言うならば疾風のような…




「忙しい奴だな…」
(忙しい人だな…)



心の中で思ったことと、有島君が呟いたことか一緒だったことに思わず笑いがこみ上げる。
気が付くと口角が勝手にあがってしまっていた。


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