さよなら魔法使い
日本独特のちりめんはその存在を強く主張している。

しかしそれはそれで綺麗とも思えるから不思議だ、おもしろいことに他の飾りとも調和がとれていた。

「どうしてノエルが好きなの?ムッシュー。」

あの日の幼い自分を思い出して呟いてみる。

両腕をピンと伸ばして上目遣いで何度も聞いた、異国の文化の不思議な形。

彼の人生はリースとは重ならず、まるでファンタジーの中にいるようなことばかりを教えてくれた。

海を渡ればそんなに違うものなのか、地球の裏側にある日本という国に強く興味を持ったのだ。

「皆が幸せになるからかな。」

すぐに答えてくれる日も翌日返してくれる答えも、いつも子ども扱いをせずに真剣に考えてくれていた。

マドモアゼル、そう呼んで大人の女性のように扱ってくれたのだ。

心がほんのりと温かくなる記憶を思い出してリースは穏やかに微笑む。

そして少し視線を上げて、ちりめんオーナメントと同じ様に異国の雰囲気を放つオーナメントを見つめた。


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