イヴ ~セカンドバージン~

「ねぇどうやったらトラウマ克服できると思う?」
学生時代からの親友の萌奈(モナ)に助言を求める。
これまでも何度も彼女の助言に助けられて来た。
 
 「トラウマの原因と思っている事を排除すればいいんじゃない?」

 「どうやって?」

 「トラウマの原因と思っている事をあえてするとか。羽衣の場合でいうとH恐怖症になった状態を再現するとか」

それって上川先生とHするって事

 「それだけは絶対無理~」

 「そうだよね。あんな最低男と寝るなんて無理だよね。でもそれでトラウマから解消されるとしたら…」

 「萌奈の意地悪~。真剣に考えてよ~」

 「私はいつでも真剣ですけど」

萌奈の言う事もわからなくはない。私がH恐怖症になったのは上川先生とのあの最悪なHが原因でそばにある温もりさえも信じられなくなった。

その日から萌奈に言われた言葉が離れなかった。
クリスマスの約束を楽しみにしている郡山さんに申し訳なくて会うたびに辛くなった。

街はいっきにクリスマスムードで彩られて…
カップルたちが幸せそうにイルミネーションを眺めている。
私達はどう周りから映っているのだろう?

私は12月を迎えたこの街並みが大嫌いだった。

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