ゆびきり
みんな、恋をして叶わないとき

「どうしてこの人を好きになったんだろう?」
って心が苦しくて、問い続けるんだよね。



なんでなんだろう、一人目で結婚したり、幸せになれる人はたくさんいるのに、どうしてなんだろう。



傷つきながら幸せを知る人、導かれるように一人を愛する人、この違いはなんだろう?



「龍二はね、自分の部屋には女をつれてこないの。私はだから、特別だって思ってた…」



ある日、梨由が龍二の部屋へいくと、詩織がいた。



楽しそうに会話をしてる龍二の優しい顔をみるのは初めてだった。



「おかえりなさい、梨由」



梨由は目の前に詩織がいる意味がわからなかった。そして、今まで感じたことのない嫉妬心が梨由の中で目覚めていた。



「ああ、どうしたの?詩織」



どうしても冷たい反応になってしまう。



「龍二がね、いいCDがあるって聴かせてくれるっていったから」



梨由の気持ちをしらない詩織は、微笑みながら言った。


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