イチゴ大福

おはようですって!



あの事故から半年が経った

葵はまだ眠ってる。

あ、そう言えば私、なんで眠ってるか言ってなかったっけ?

あれだよ

頭を強くぶつけちゃったってやつ。

えっと、なんだっけ

思い出したくないからいいや、思い出さないで。

今、葵は植物状態なんだって。

舞子さんみたいな人はよく来る。

あ、私を殴ってくる人ってことね。

でも、葵を見てそのまま帰っちゃう。


みんなが必ず言う言葉

「あなたのせいで」

そのとおり。

私のせい。

そんなの、わかってる。

でも、一番辛いのは私をかばうような言葉。


「あなたのせいじゃないのよ」


そういう言葉。


それをわかっているのかわからないけど、

恭弥くんとか、麻妃達は何も言わないでいてくれる。


今日もほら、病室がそろそろざわつき始める。


「葵さーん!来ましたよ!お、紅音が一番乗りか!」

うざいくらいハイテンションで来たしゅう。

その後ろにゾロゾロと続く。

しゅう→れん→タケ→やす→麻妃→雅人→和紗→みぃ→恭弥くん→せいじさん

て感じで、綺麗に一列にってる。

この人数はいつものことだけど、

一緒に来るってことはまずないだろうに…

気を使ってくれたんだろうね

二人っきりになれるように。

「もちろん!私を誰だと思ってるのさ!」

「え、馬鹿だろ?」

「違うわバカ!しゅうなんてはげてしまえ!」

私はいつも通りふざける。

私、こーやって過ごすの好きだよ


一人足りないけど。

「やあやあ!元気だね!」

そう言って入ってきた隆治さん

彼は、葵が就職するはずだったバイク屋の店長。

よく、葵の様子を見に来てくれる。

なぜかわからないけど、葵を待っててくれるって。

葵の分の枠はあけておいてあげるって言ってくれた。

隆治さんの優しさに感謝だよ…


「あれ、大人数だね」

そう言って入ってきた裕二さんと、その奥さんの美玲さん。

「あ、先生!」

麻妃が嬉しそうに駆け寄る。

その後ろに眉間にシワを寄せながらベッタリとくっついてる雅人。

意外とヤキモチ焼きなんだよね、雅人も。

鬱陶しそうにする麻妃。

でもどこか嬉しそうで、私も嬉しくなってくる。

ねぇ、葵…

葵が起きてたら全員集合なんだよ

ほら、葵、早く起きて…


葵ー…


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