妄想クリスマス

「明日は遅番だろ?彼氏とクリスマスデートしてから出勤か?」

「あっちは仕事なんで」

「そりゃ残念だな、じゃまた明日もよろしくなー」

「お疲れでしたー」





ホールとキッチンの片付けが終わって。

帰路についたのは日付が変わってからだった。





「…寒…」





真冬の突き刺すような寒さは。

疲れた体には余計に厳しい。

早く帰って温かいお風呂に入りたい…。

お腹も空いた。

何か買って帰ろうかな…。





冷たい空気にプルプルっと身震いをすると。

身を縮こませながら歩を進めた。





…彼は何をしているだろう。

明日も仕事だからもう寝てる?

最近忙しそうだったから今夜もパソコンに向かってるのかな?

いつもなら気にならない彼の動向が気になるのは。

今夜は彼と私が一緒に過ごしたことのない夜だからかもしれない。



< 4 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop