Noisy Christmas
「こんな部下、首輪でもしとかなきゃ無理だな」
「はなから諦めないでよ」
「なんなら、そっちの課で請け負うか?」
「遠慮しとく」
矢野の事で言いあいをしていると、いつの間にか蚊帳の外になってしまった本人が、あのぉ。なんて間に入ってきた。
「なによ」
「なんだよ」
二人同時に言うと、いえ、別に。とさっきまで浮かべていた愛想のいい顔がしぼんでいく。
「とにかく。矢野はさっさと戻りなさいよ」
「はーい」
「返事は、はいっ」
間延びした返事にイラッとしていい直させ、わかった? とひと睨みすると、ビシッと両足を整えて敬礼のポーズをしてみせる。
「はいっ。解りました、咲子さん」
あなた何処の隊員ですか?
ここは自衛隊なのですか?
それにさっきから言ってるけど。
「下の名前は――――」
私がまた名前について意見を言おうとすると脱兎の如く逃げ去ってしまった。
まったく、もう。