馬鹿な私をもらってください。
「あ?」


全力で首を横に振ると不機嫌だった顔が更に歪む。


こわっ


私はおずおずと塁君の背中に体重をかけた。


私が乗ったのを確認すると塁君は女の子たちにいつもの、爽やかな笑顔でにっこり笑った。


「理彩、保健室に連れてくから、担任に言っといてくれるかな?」


女の子たちはさっきとは別人みたいに塁君の笑顔に「わかったぁ~」って甘い声で答えた。


そのあと私を般若のような形相で睨んだことは見てなかったことにしておこう。

…うん。
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