あまーいトリックオアトリート!



帰り道。隆太君は、空を見上げながら、呟いていた。

「来年は、どんなイタズラしようかな……」


来年のハロウィンも私と一緒にいるって想像を隆太君は何気なく考えてくれる。

それだけで、私の心は温かくなる。


「優未は、どんなイタズラしてくるの?」

「…うーん……。隆太君が、また次の年も私と一緒にいたいって思ってくれるような、イタズラかな…」

…それは、どんなイタズラか。まだ分からないけど。


「そっか……。じゃあ、僕は…」

隆太君は、ちょっとうつむいて。

「……ずっと僕の隣にいたいって思ってくれるような、イタズラにする」

夕陽のせいなのか、隆太君の顔が真っ赤に染まっていた。

思わず、私の顔が真っ赤になる。


「「………………」」

私と隆太君は、無言で歩道を歩く。

「……優未」

「……なに?」

「ずっと僕の隣にいてほしい」

「…………うん。私も、隆太君にずっと私の隣にいてほしい」


私と隆太君は、自然と手を繋いだ。


───ずっと、こうして─
──隆太君と一年に一回だけの─
─ハロウィンを過ごしていきたい─



─君にあまーいトリックオアトリートを─


< 11 / 11 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:12

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

私、ヴァンパイアの玩具になりました
ライセ/著

総文字数/179,572

恋愛(逆ハー)122ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
神咲優(カンサキ ユウ) 16歳高校一年 天涯孤独 バカで考えて行動をしない 少し泣き虫な女の子 「ぁの、…ヤメ…あ゙ぁ──」 那崎藍(ナザキ ラン) 17歳高校二年 俺様ドS 「優は俺の物。だから、他の奴に触れさせるなよ?これは命令だからな。破ったりでもしたら…分かるよな…?」 那崎日向(ナザキ ヒナタ) 18歳高校三年 変態ドS 「アハハ…。優は僕のなんですよ?…ほら、早く服脱いで君の血を僕に飲ませて?」 那崎翔(ナザキ ショウ) 16歳高校一年 やんちゃドS 「優は僕の玩具なんだから。大人しく、僕の言うこと聞いてね!大丈夫だよ。優しく飲んで、あげるから…」 那崎嶺美(ナザキ レイミ) 17歳高校二年 ツンデレドS 「だから。他の奴に触らせるなって言ってるの。言ってる事分かる?…べ…別に嫉妬じゃ…。…チッ、どっか消えろ」 那崎愛希(ナザキ ナルキ) 16歳高校一年 ヤンデレドS 「優の血を飲んでいるとね…?興奮してくるんだぁ…。もっと…飲ませてよ…。君の望み通り…痛く飲んであげるから…」 那崎裕(ナザキ ヒロム) 16歳高校一年 ワガママドS 「だーかーらー!血、飲ませてって言ってんの!理解出来る?優、猿以下なら僕が体で教えてあげる!」 那崎薫瑠(ナザキ カオル) 18歳高校三年生 敬語紳士ドS 「ふふ…。俺は、優の血が飲みたいんです…。拒否権は勿論ありませんからね。…アナタは、俺の癒しなんですから…」 優しい親戚に育ててもらって 人並みに幸せに暮らしてきた優 今年から高校一年生になるので 一人暮らしするための家まで 地図通りに進んでいくと… 一人暮らしにしては、大きすぎる綺麗すぎる建物が。 優が、うろちょろしていると。黒スーツを着た男の人が優を不審者だと思い、優を建物の中に無理矢理いれて建物の主人の前に連れ出す。 優は誤解をとこうと言い訳する その建物の主人は優しくて優の事を許した …条件付きで… 『息子達のお世話をしてもらいたい』 優は、なんの疑いも(バカだから)持つに承知した。彼らが、ヴァンパイアと知らずに…。 実は、優の体に流れてる血は世界で3人しかいない幻の血だった!? お久しぶりです!お待たせしました!今までと同じように、活動させていただいてます。あ、スマホが止まった理由はプロフィールで簡単に説明してます
表紙を見る 表紙を閉じる
辛くて泣きたくて いっそのこと死にたいって 思うときがあるかもしれない ムカついて、イラついて 誰かに対して死ねって 思うときがあるかもしれない でも、よく考えて 本当に、自分が死んだ時のこと 本当に、その人が死んだ時のこと 絶対に、誰かが悲しむ 絶対に、アナタは悲しむ 私、ライセは。 ある事をついさっき知り 【死】 について、考えてみることにしました 作りはじめ7月19日完結 感想ありがとうございます 謎。さん 愛海璃愛さん
イケメン変人達に好かれると厄介です
ライセ/著

総文字数/97,918

恋愛(逆ハー)66ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
初恋も未定 冷たくて、いつも冷静 触れると逆に火傷? ドライアイスみたいな主人公 原野 優 (ハラノ ユウ) 16歳 「まず、精神病院に行く事をオススメしますよ?」 謎のイケメン変人1 七原 リン (ナナハラ リン) ??歳 「アナタを、俺の命と引き換えに欲しいです」 謎のイケメン変人2 高梁 アラタ (タカハシ アラタ) ??歳 「もし、僕と君が結婚すれば、世界には平和が訪れ。やがて、戦争どころか、喧嘩が無くなる。そして…(以下略」 謎のイケメン変人3 水村 リイ (ナカムラ リイ) ??歳 「…君と僕は、運命の糸で結ばれてる事を宣言したい…な?いや、させてもらう…かな?」 「私に構わないで。殺しますよ」 何故か…バイトをしていると、ある日急に謎のイケメン変人達に好かれた主人公。 うん…。世界が破滅する位、面倒臭い。変人共の相手は。誰か、助けて下さい──。 バカみたいな…それでいて、タマにドキッとするような、しないような…。 変人3人には、悲しい過去もあって……? バカみたいな、それでいて平和な日常生活が始まります。友情もぼちぼち入ってます! ノロノロと、更新させて、いただきます。 書き始め 2013年5月18日~ 修正 2014年3月21日~

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop