どうしてこうなるの?私達の日常生活
向き合う


「む~っ、ぅ~ん!!」


進から逃れようと必死にもがく桜。しかし、進は桜を離そうとはしない・・・


「そんなに、暴れなくてもいいっすよ。それとも・・・」


進は桜の左横に顔を近づけると「手、出して欲しいの?」と不敵な笑みを浮かべ、耳元で囁く。怖くなった桜は、動きを止めざる終えなかった。


「うそうそ(笑)でも、ちょっと来てもらおうかな・・・」


進は、そういうと桜を解放するのだが、逃げないように右手だけをぐっと握る。そして、路地裏から出ると、そのまま歩き出す。桜は痛みを覚えるのだが怖くて口に出来ずにいた。



(桜・・・どうか無事でいてくれ!)



必死の形相で駅から走り、やっと会社の前に到着した城島。しかし、桜はどこにもいない。その頃、桜と進むは大きな道路を挟んで向かいの路地にいた。進はそこから城島の様子をうかがう。


「来た来た(笑)」
「どうして・・・こんな事するんですか・・・?」


恐る恐る進むに尋ねる桜。しかし、進は答えようとせず、桜の口を塞いで「うるせぇ。」といって再び抱きしめた。その口調は怒っているのがわかるくらいのものだった。
そして進は、桜から取り上げた携帯で城島に電話をかけたのだった・・・。



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