甘い恋の始め方
理子の身体は敏感になっており、少しの刺激でも身体の芯が疼き始める。

「……ぁ……んっ……ああぁ……」

「肌がきれいですね」

「んぁ……っ、ふぅ……」

理子は悠也の身体の下で、頭を振る。

悠也の唇は身体中を愛撫していく。形のいい胸から平らな腹部、そしてぷっくり膨れた蕾へ。

再び、ふたりは互いの身体をむさぼるように愛し合った。


理子は乱れた呼吸が治まると、重い腰を感じながら身体を起こした。

腕で胸を隠しているのを見て、悠也はフッと笑う。

「見ないでください」

掠れた声で言うと、悠也から視線をそらす。

「あれほど惜しげもなく身体を晒しておいて、今更恥ずかしがることもないでしょう?」

悠也は理子をからかう。

「そ、それでも恥ずかしいんです。向こうをむいてください」

理子の希望は叶えらない。

(……他の女(ひと)と比べられているみたいで落ち着かないのに……)

悠也の言うとおり、散々ベッドの上で乱れてしまったが、酔いもいつしか覚め冷静になるとここから一刻も早く出て行きたい。

初めて会い、知らない人と寝る。

商売女のようなことをしてしまって恥じていた。


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