恋踏みラビリンス―シンデレラシンドローム―
◇王子様の正体



これは夢だろうか。
和泉くんの胸に抱かれながら、ぼんやりとそんな事を思う。

呼吸はまだ乱れたままで、肌もじんわりと汗ばんでいた。
さっきまでの情事のせいで。

ソファに押し倒された時、開いたままだったノートパソコンの電源コードを引っ張ってしまったらしく、パソコンがテーブルから落ちそうになってしまって。
ギリギリのところで止まったパソコンに胸を撫で下ろしながら元の位置に戻そうとした私を、和泉くんが止めた。

そんなのどうでもいいと言う和泉くんの瞳には熱がこもっていて、そんな目で見つめられたら、逆らう事なんてできなくて。
誘われるままベッドになだれ込んで、求められるまま応じてしまった。
まだ昼間だっていうのに。

服を脱がされそうになった時、恥ずかしいとは訴えたけど、無言のままの和泉くんに軽く却下されてそのまま……。
結局全部脱がされて見られて、繰り返し色々されて今に至る。

昨日も思ったけど、和泉くんは結構えっちに時間をかける人だと思う。
私が知っている男の数なんてたかが知れてるけど、大体30分足らずで終わってたし、佐和ちゃんとか他の友達と話してもそれぐらいが平均だった。
だからてっきりそういうものだって思ってたけど……どうやら認識が甘かったらしい。



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