恋踏みラビリンス―シンデレラシンドローム―
「でも、和泉くんの好意に甘えさせてもらってるのは事実だし」
「それだけで上下関係ができるわけじゃないじゃない。
っていうか、聞く限り和泉も莉子の事好きな気がするけど」
「……なんでそういう事言うの。そういう勘違いは私の特権なんだから、佐和ちゃんはその私の勘違いを指摘してくれる役じゃない」
いつも通りそうしてよ、と期待を倍増させるような事ばかり言う佐和ちゃんに訴える。
新しい仕事が決まったら何かおごるから!と、顔の前で手を合わせたけど、佐和ちゃんは、んーと考えるように呟いた。
乗り気じゃないらしい。
いつもならおごるって言えばそれですぐオーケー出すのに。
というより、私がお願いするまでもなく私の風船勝手に背後から割って嬉々としてるくせに。
なんでこんな時に限って全然乗ってきてくれないんだろうと、不貞腐れて佐和ちゃんを見る。
「悪いけど今回は割れないかも」
じれったく感じるほど考えた挙句そんな事を言い出すから、嫌がらせだと指摘すると佐和ちゃんが言う。