人知れず、夜泣き。


 「・・・おはよ」

 あくせくお弁当を詰めていると、悟が起きてきた。

 昨日別れ話をしたというのに、悟は至って普通だった。

 気まずいのも、悲しいのも、未練があるのも、ワタシだけ。

 「・・・おはよ。 お弁当、カバンに入れとくね」

 悟のカバンにお弁当を入れる。

 毎朝の変わらない習慣。

 「朝ゴハンも出来てるよ」

 お弁当作りと同時進行で作った朝ゴハンを、当たり前の様にテーブルに並べる。

 あと何回かで終わってしまう日常。

 ずっと続いて行くものだと思っていた日常。
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