『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
資料には父親同士が漫才コンビの大師匠『大虎 かつお・つよし』、母親同士が同じく漫才コンビ『ピンヒール』のレイナ・マチコだ。


いわば、関西のお笑い界切ってのサラブレッド。


ちなみに、万里也は母親のレイナがアメリカ人とのハーフの為、クォーターになる。


美少年なのもうなづけるというもの。


「モンスターペアレント並みに怖いで、親も」
「それは分かりますが、あの子たちは? 」
「オヤジの血やな、とにかくケンカはする、未成年者厳禁の行為はする、それをモミ消してるうちに、すっかり白髪が増えたし」


そうか、だから先輩は急に茶髪にしてたんだ。


見事な黒髪のワンレンだったのに。


「この間付いたので、もう5人目や。あんたが6人目の犠牲者か」
「気が重くなりますね、それ」


どうしよう、そんな大変な子を任されるなんて。


きっと、木村専務直々にという事は何か含みがあるんだろうけど。


「ま、とにかく頑張りや」
「はい、そうします」


味のしないB定食を片付け、まーちゃ子の資料一切が入った書類やディスクを部長に渡すと、アッハ心斎橋に向かう。


昨日も来たけれど、いつも入り口や裏口はファンの子であふれ返っていた。


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