『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
「いいマネージャーが付いてるからって、調子に乗るなよ。どんな風に仕事を取ってるか、お前らだって知ってるだろ」
「何やねん、それは。向島が、汚いマネしとるなんて知らんで」


ヒロセさんは怒りで顔を真っ赤にしながら、更に言葉を続ける。


「あいつはな、男でも女でも構わないんだとよ」
「何やて! 」
「プロデューサーだけじゃない、局のお偉いさんにも尻を差し出すって評判だ」


最悪な言葉がスタジオ内に響き渡り、スタッフが騒然となった。


「ヒ……ヒロセさん、こっちへ」


あたしは頭が真っ白になったけれど、この状況を何とかしなくてはいけない。


ヒロセさんを連れてスタジオを飛び出すと、2人の楽屋に連れ込む。


「あの、さっきの話って本当なんでしょうか? 」
「皆、4年目であんなに大きな仕事を簡単に取れるワケ無い、枕営業だって言ってる」


言われてみると、確かに不思議に思う事がこれまでたくさんあった。


次々と大きな仕事が、接待すらしないで入って来たし、大物プロデューサーと親しそうに話す先輩の姿も。
< 164 / 292 >

この作品をシェア

pagetop