『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
「全く、敬タンをネタにコマそうなんて恐ろしい男ね」


ストッキングのつま先でツンツンと先輩の肩を突くお父さん、異常な光景。


「理由もバッチリ聞いたわよ、ゴウモンかけて」


ネイルの鋭い指先で、先輩のアゴをつかむ蘭子さん、さすがは鴨川キング。


「ウーッワンッ! 」


キバをむき出して吠えるアトム、犬なりに何か感じるものがあるのだろう。


「ゴウモンってどんな? 」
「言えないわよねー、ママ」
「ねー蘭子」


聞いた所で、きっと恐ろしい話だからどうでもいいんですけど。


「先輩、あの……」
「ごめん、志穂ちゃん。僕は、君を」
「もういいんです、それより、何であんな事を続けたのか聞かせて下さい。明日、大虎師匠が来て、あたし達、クビにされるかも知れないんです」


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