『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
こうして、悪夢の宴会が終ったのは翌朝。


暮れの猛烈なスケジュールに皆が引き戻され、Super ㎡のマネージャーとしての仕事が始まる。


「大沢、大丈夫か? 」


秀一郎が寝不足のあたしを心配して、コーヒーをくれた。


「シュウ、優しいやん」
「アホ抜かせ、事故られたら困る」
「せやなぁー」


二語文になっただけ、まだマシかな。


「シホっち、私限界。もう寝る」
「どうぞー」


米山め、助手席で寝始めたよ。


「なあ大沢、ウチな……」
「万里也君、ワシでしょ? 」
「この暮れでホンマに代わるわ、その方がシュウのためやし」
「ダメです、あきらめないで下さい。一緒に居たいって、分かりますから」


後部座席で眠り込む秀一郎の手を、ずーっとにぎっているんだから。


そんなに想って、想い合っているのにここでサヨナラなんかさせない。


摩理依ちゃん、大丈夫、優秀とは言えないけど、あたしが付いてるからね。
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