『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
ボケ役は、お坊ちゃま然とした秀一郎。


突っ込みは、銀髪の万里也。


「最近、誰かに見られてるような気がすんねん」
「お、ストーカーちゃうのそれ? 誰や、この間の女子校の子か? 」
「いや、それと違う」
「ほなあれか、ファーストフードの子とか」
「自分の事タナに上げて、お前よう言うけどな、どないやねん、二股かけてたんは? 」
「え、ワシか? 」
「ほれ、キタのお姉さんとか飛田のコレとか、ミナミの帝王とか」
「それ二股やのうて、三股やんか、しかも最後のミナミの帝王てどないやん」


客席はドっと盛り上がる。


典型的なしゃべくり漫才、しかも年は17歳。


現役男子高校生、見た目は美少年2人組み。


人気は嫌でも出るだろう、これだけ上手ければ。


となりの敬介は、固まったまま動かない。


それだけ衝撃を受けている。


「敬介、出よう」
「うん」


2人の出演が終わって、外に連れ出す。


そして別々にマンションへ向かうと、部屋で合流した。


「お帰り、志穂」


合鍵で先に中へ入っていた敬介に出迎えられ、彼の足の長さを実感する。
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