克服ブラックベリー
「はぁーい!今行くー!」
私はカバンを持ち
階段を駆け下りていく。
「お……おはよ!」
ニコッと笑ってみる。
笑顔を心がけなきゃ…
「んもー!優真可愛いすぎ!
食べちゃいたい!」
「…行くぞ。」
「うんっ…」
なんかすごく緊張する。
やばい、手足一緒になりそう
顔引きつってないかな……
「優真…」
「はいっ!」
織海くんが立ち止まって振り返る
え、なんか緊張…
って元から緊張はしてたんだけど
てかめっちゃ見られてる
やばいやばい緊張する………
織海くんの手が、ポンッと頭に乗る
「優真…可愛いよ」
ニコッと優しく笑う織海くん。
なに?……なにこれ
なんですかこれは…
「あ、ありがと!」
笑顔が引きつるよ
心臓がバクバクするよ
顔が熱くなるよ
織海くんの顔がほんのり色付いたように見えた。
多分慣れないことしたから…
私のこのドキドキも、恋じゃない
多分慣れないことされたから…
そう心で何度も何度も呟く。
私達は織川くんが降りる駅まで行く
ベンチに座って
スマホをいじっていた織川くんは
私達を見つけて手を振る。
「うわぁぁっ!優真ちゃん?……」
「は、はい…」
「可愛い…いてぇっ…」
織海くんの拳が織川くんに飛ぶ。
「おら、行くぞ」
「心ちゃんうるさい!」
「げっ、ひでぇ!」
この3人を見てるだけで笑顔になる。
「優真……ちゃんと笑えてるね!」
「ほんとほんと!優真ちゃん笑顔似合う!」
「あ、ありがと…////」
初めて言われたそんなこと。
冷たい風が、どんどん弱まってくる。
もう春だよ?
お姉ちゃん…………
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