恋箱。

そんな私を落ち着かせるようにケンは話し始めた。




嫌いになんてなっていない事。



今二人で逃げる事は簡単だけど、学歴が無いとマトモな仕事は出来ないかもしれない、という事。



だから高校だけは出ておきたいと思っている事。






そして。






高校を卒業したら必ず迎えに来ると言う事。









泣きながら笑うしかなかった。



ケンの決意は固い。







「必ず迎えに行くから待ってて」







強く抱きしめられながらアタシは頷いた。





ケンを信じて待つ!




あと2年……気が遠くなるぐらい長いけど。






でも待つ事に決めた。

大好きだったから。









なのに……ゴメンね?


愛する人のコドモ、学校、そしてケン。


大切なもの全てを一気に失ったアタシはどんどん壊れていってしまったんだ。



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