彼女の世界が変わらぬ理由
安東は少し幼顔の小柄な美少女だ。
いつもツンと尖ったような表情で、冷たい雰囲気のマリアとは正反対。
柔らかで華やか。
そんな彼女は、マリアの唯一の友人だ。
「音、下げてもらえる」
「あっ、ごめんね! うるさかった?」
「…賑やかな曲みたいだけど。何を聴いてたの」
「ロックだよー。カッコイイ曲なんだあ」
なぜか安東は嬉しそうに話す。
しかしどうも、おっとりした彼女にロックは似合わない気がした。
「ロックなんて聴くんだ」
「ううん、あんまり。でもこのバンドは別なの。知り合いがやってるんだー。すごい良い曲ばっかでね。今度CD貸してあげる!」
とびきりの笑顔を向けてくる安東。
マリアは断る気持ちにはなれず、頷いた。