彼女の世界が変わらぬ理由

初めて会った時。

こんな風に明るく話しかけてきたのも、彼女からだった。

寡黙で友人も作らず、クラスどころか学校全体の中で浮いていたマリア。


「柚木さんて、十年も絵を描いてるって本当? すごいねえ! 全部並べて見てみたいね!」


のんびりとしたしゃべり方で、安東はそんなことを言ってきた。

マリアの絵をすべて見たいと言ってきた二人目の人間が、彼女だった。

実際に知り合って間もないうちに、安東はマリアの家に遊びに来て、何百枚もの絵を見ていった。

彼女もかなり、変わっているとマリアは思う。


「…ねえ、安東さん。訊きたいことがあるんだけど」

「なになにー?」

「あたしの絵…変わったと思う?」


飛田以上にマリアの絵を見ている安東だから、訊いてみたかった。


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