彼女の世界が変わらぬ理由
いつもはマリアの存在などないものとして帰っていく女子たち。
しかし今日は珍しいことに声をかけてきた。
「柚木さん。ちょっといい?」
「…なに?」
「さっきの学園祭の話。アクセとかストラップとか作ることになりそうだけど、あなたもちゃんと参加してね」
部長の小湊(こみなと)がそう言い、後ろに控えた女子たちもそろって頷く。
「あたしが…?」
「そうよ。柚木さんだって美術部員なんだから」
「あたしにはムリ」
バッサリと切り捨て、手を止めようともしないマリアに、女子たちは表情を曇らせた。
「ちょっと柚木さん! そうやっていつもあなた、自分勝手なこと言って!」
「そうよ! いつも同じ絵ばっかり描いて、やる気あるのっ?」
やる気。
それは何に対してのやる気をさしているのだろう。