Bitter Sweet
連れてこられた場所は、


私達の、母校。


「ー何年ぶりだろ。」

呆然として、学校の校門前でポツリ呟く。


「ーうん。俺は卒業してから部のOBイベントとかで顔は出してたけど…。」

そうだ。

私も卒業した後、数回は顔を出してる。


でも。


「お前と別れてから、来れなくなったから…ほとんど10年ぶりかも。」

苦笑いを浮かべて、学校を仰ぎ見る昂くん。

ー私も。
卒業後、数回来たけど…
昂くんを思い出さずにはいられなくて、来れなくなった。

その頃、一応彼氏もいたし…


「入ってみよう?」

ニカっと笑って、私の手首を引っ張って行く。


ドキドキと高鳴る胸を押さえながら、手を引かれるまま校内に足を踏み入れた。



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