Bitter Sweet
ゆっくりと車は減速し、昂くんの家の前で停車する。


ーえ?、

と、昂くんの顔を見ると。

穏やかに微笑んだ彼の顔があった。

「ちょっとだけ、寄っていい?親は出かけてるみたいだから心配するなよ。」

確かに、昂くんの家の車は車庫にない。

そして、その空いてる車庫に車を入れて、そっと外へ降りた。


昂くんは家の鍵を取り出し、ガチャリと扉を開ける。

「…どうぞ。散らかってるかもしれないけど。」

「お、お邪魔します…。」

声が震えそうになった。
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