Bitter Sweet
「…オレと同じだね。良かった。」

え?と、高梨の方を見ると、
ニコッとした笑顔があった。

「オレ、ひかりさんとこーして飲んで食って喋んの好きなんだよね。ひかりさんが誰かのものじゃなくて、良かった、って思って。」

「…それ、あんま他のフツーの女の子に言わない方がいーよ?」

こんなキレイな顔立ちした男に、
誰かのものじゃなくて良かった、
なんて言い方されて、
揺れない人いるのかな。

私ですらドキッとしかけた。
でも平常心でそんな返しが出来るくらいだから、
どうも私はコイツを男としてあまり見てないんだろう。


「え、なんで??」

「無意識なの?あんな言い方されたらときめく女はいっぱいいるよ?」

「そう?でも今言ったのはホントのことだし。誰かれ構わず言うわけじゃないよオレ。
っていうか、ひかりさんもときめいたの?」

意地悪そうな笑みを浮かべて、私の様子を伺っている。

ちょっと意地悪返しをしたくなり、
ふー、と盛大に溜息を吐いてやる。

「はい、トキメキマシタ~。も、めっちゃトキメキマシター。」

すんごい棒読みで言ってやった。

すると途端に、クックック、と堪えきれてない笑いが聞こえてきた。
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