Bitter Sweet
少なくとも、さっきのキスシーンは。

正直、ショック、だった。

でもこれが、逆に昂くんだったら?

昂くんが他の人とキスしてるの見ちゃったら?


それだって、やっぱりショックだよね…。


いつまで宙ぶらりんでいるんだろう。


それが嫌で、何か答えを見つけたくてココへ来たのに。

……。

固まっていた身体を静かに立ち上がらせ、再度、高梨の様子を伺った。


アパートの敷地の入口で、まだ高梨は突っ立っている。


スー、ハー、と大きく深呼吸し、
私は一歩、前へ踏み出すことにした。

勇気を出さなきゃ。
いつまでも逃げてちゃダメだ…。
時を延ばしても何の解決にもならない。


ジャリっ、とヒールで砂を踏む音が響き渡る。




< 142 / 263 >

この作品をシェア

pagetop