Bitter Sweet
12. 聖夜の贈り物
ー寒い。

どれくらいそこにいたんだろう。

昂くんと別れた場所から動けずに、ベンチに座ってイルミネーションでまだ華やいでいる街の明かりをボーッと見つめていた。


携帯を取り出すと、
もうすぐ24時。

帰らなきゃ。

明日は土曜日だから仕事は休みだけど、

女1人で、いつまでもこんなとこいたら変な人に絡まれそうだ。

クリスマスだっていうのに、
結局、ひとり。

自分のせいだし、昂くんにもきっと同じ想いをさせてる。

淋しいのは当たり前。

これが、私の現実なんだ。



ふう、と溜息を吐いて、トボトボと駅へ向かった。
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