Bitter Sweet
「…全部、オレのせいにしていいから。」

啄ばむように、優しい、キス。

しばらくそれを繰り返し、段々熱を帯びて、口づけは深くなっていく。

高梨が、あまりに優しくて。

抵抗は許してもらえないほど強引な行為なのに。

こんなの、許せないはずなのに。


熱を含んだキスに、思考回路を遮断されて、受け入れてしまってる自分。

そんな自分も後できっと許せなくなる。

でも、高梨の言葉に甘えて、

今は、この熱に浮かされる。


昂くんとの思い出を、今だけでも打ち消すために。
思い出に振り回される自分を忘れたくて。

ズルい私。



高梨から与えられる甘い刺激に身を捩らせ、
声にならない声をあげる。

「…泣いていいよ…。ホントのひかり、もっと、見せて。」

身体の奥が、キュンとなって熱くなる。
高梨の甘い言葉に、ホントに泣けてきて、

思わず肩にしがみついた。

こんなになっても、泣き顔は見せたくなかったから。

「意地っ張り…。」
クスッと笑いながら、しがみつく私の頬に手を添えて、流れていた涙をペロッと舐める。


そして、何度も何度も、快楽の波に飲み込まれて、
夜が更けて行った。

眠りに落ちる刹那、高梨が何か呟いてるのが聴こえた気がした。



「…絶対、忘れさせてやる。オレが…。」














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