Bitter Sweet
「…お前と再会して、俺の気持ちはあいつから離れるばかりだったよ…。」

手にしたカクテルを口につけていた私は、あまりの驚きでむせそうになった。

コホッ、と一度咳込み、ドクンドクンと大きな鼓動を響かせる胸を押さえて、昂くんを見る。

そんな私を見てクスッと微笑み、
次に出てきた言葉は。


「ひかり、今度の休みさ。俺、ちょっと行きたいとこあるんだけど、付き合ってくれるか?」


…出かける約束、だ。
だけど。

「彼女と…ホントに終わっちゃったの?それでいいの?」

つい、口から出たのはそんな疑問。
まるで、私との再会がきっかけで壊れてしまったんじゃないかって、
思わずにはいられなかった。

「あぁ。お前と会う前から、限界は来てたんだよ。別れたのは俺のせいであって、お前のせいでは絶対ないからな。勘違いしないように。」

私の思考を見抜いての発言だった。

「で、どう?土曜とか。」

「…いいけど。」

「よし。じゃあ、細かいことは後で連絡とりあうことにして…まだ飲むだろ?」

コクン、と頷いたけれど。

お腹も、心も。

いっぱいだった。

やっぱり、昂くんも。

私と気持ちは同じで。

昔の恋が、

蘇りつつあるのかもしれない。


本当にそれでいいのか。


私は、まだ答えを見つけられそうになかったー。



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