Bitter Sweet
昂くんと駅で別れ、マンションへ帰る途中。


携帯が震える。
表示を見ると、着信は…高梨。


ドキッとした。

なんでいつも、昂くんと何かあったタイミングで連絡してくるのかな…。

取ろうかどうしようか悩んだけど、

通話ボタンを押した。

「…もしもし?」

『あ、ひかりさん?今外?』

「うん。帰ってるとこ。どうかした?」

『ちょっとね。今、ひかりさんのマンション前にいるから、早く帰ってきてよ。』

「へ!?なんで!?」

『それは後で言うから。じゃーね。』

ープツッと通話が切れる。

な、何なのよ…。

相変わらず、私の都合はお構いなしな高梨を思うと苦笑する。


時刻を見ると、23時近く。

こんな時間まで仕事するほど、今は立て込んでない。

高梨もどっかで飲んでた帰りかな?

…と考えながら、少しだけ歩みを早めた。


< 94 / 263 >

この作品をシェア

pagetop