らいおん
「よし、OK」
美咲がそう言って私から離れたのは、孝太郎と待ち合わせの1時間前。
陽菜に促されて鏡の前に立つ。
「わぁ………」
自分が自分じゃないみたい。
「美咲、陽菜、ありがとう」
「帯、きつめに結んだけど苦しくない?」
「大丈夫」
私がそう答えると、2人はほっとしたように微笑んだ。
「茜、時間大丈夫?」
「うーん、そろそろ行くかな」
「じゃあ近くまで一緒に行こう」
「うん」
私たちは3人揃って陽菜の家を出た。