俺と君の運命論


「ねえハルキ」


自身に馬乗りになっている彼女の頬に手を伸ばす。

見下ろしてくる彼女の目は冷たいものだったけれど、頬だけはほんのり紅く上気していた。


「なんですか。まだキスがし足りないとでも?」

「ハルキがしたいならいくらでも。そうじゃなくてね、俺らって互いに運命の相手なのかなーって」

「何をいきなり」


俺の首筋に顔を近づけチクリとした痛みを残す彼女に(その痛みが堪らなく愛おしい)、「だってさ」と口を開く。


「俺らはこうしてアイシアッテる。この何十億人ものいる世界で、こうして俺ら二人が結ばれるなんて。それはもう奇跡というか、なんというか」

「奇跡だなんてロマンチストですね」

「ああごめん、訂正、奇跡じゃなくて必然、運命だ」

「どうでもいい減らず口を叩く前に、喘いでみればどうなんですか」

「君がそれを望むなら」


そうして熱を帯びる自身に、彼女が触れた。俺たちはまた、互いに溺れていく。
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