魅惑のキスネコ!【完】

夜よりは早い夕方。
園内の人は少なくはなってきているけど
相変わらず一番人気のジェットコースターは列が出来ていた。


「はーっ
これ並ぶのか。」

ジンがため息をつく。
逆にサヤカちゃんは大興奮。

「もちろんっ!
ああっ楽しみだなぁ。
これ、すっごく怖いって
有名なんだよねっ」


ジェットコースター。

好きだけど
あまりにも怖いのは
倦厭してきていた。

このコースターも、
乗るのは初めて。

「そんなに怖いんだ、これ」

あたしが恐る恐る言う。
ジンがそれに気づいて
あたしに言った。

「カナ、怖いなら
無理に乗るなよ?
待っててもいいからな」

「う、うん。
考えとく。」

「シュンは?
大丈夫そうか?」

ジンに聞かれて
ポパイが口を開く。

「乗りたくないけど乗る。」

その答えを聞いて
ジンは声をあげて笑った。

それでこそ、男だよな。と。

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