魅惑のキスネコ!【完】

「嘘付いててゴメン、
傷つけて本当にゴメンな。
全部俺が悪いんだ。」

シュンのぬくもりに
また胸が熱くなる。


「でも・・。
今更だけど。
カナのことが好きなのは
嘘じゃない。」


「え?」


その一言に
あたしは驚き
顔を上げた。

シュンがあたしを
優しく見つめている。


「だから・・。
もしジンが許してくれなかったら
俺のところに来いよ。
俺が責任とる。
責任とって、カナを幸せにする」


「そんな・・」

俯くあたしのおでこに
シュンがそっとキスをする。


「大丈夫、
そうならないように
俺がジンとカナを仲直りさせるから。
もう一生俺なんかと
顔あわせる事もないようにな!」


「シュン・・。」

シュンは笑顔を作ると
あたしの肩をポンポンと叩く。


「安心しろって。
それより傷、早く治してな。
ちゃんと寝ろよ」

そう言うと
シュンは玄関を開け
出て行ってしまった。


ガチャンッ


「シュン!!!」


シュンが閉めたドアを
あたしは慌てて開けた。

でもマンションの廊下には
もう人影はない

シュンの言葉をかみ締める。

消毒して貰った傷がズキズキと痛み
ガーゼには血が滲んでいた。


< 215 / 255 >

この作品をシェア

pagetop