魅惑のキスネコ!【完】

「どう・・するって・・?」


”・・・。
俺、知ってたんだ。
カナがシュンとキスしてる事。”


「えっ!?」


”この間の、ラグビーの試合の日。
カナ、シュンと病院の中で
キスしてたんだろ・・?”


「あッ・・・」

みんなが車に乗り込んだ後、
シュンにつれられて病院内に戻ったときだ。

シュンが帰りたいって言うから
変身を解くために・・・・と思って。


”うちの社員の子が見たらしいんだ。
すぐ言わなくて悪かったな。
でも俺そんな事、信じてなかったからさ。”


「それは違うの!
シュンをポパイだと思ってたって言ったでしょ?
ポパイが家に帰るって言うから
変身と解いてあげなきゃって」


”いい加減にしてくれ!!”


「!!!っ・・ジン・・」


”カナ・・
そんな作り話を聞くほど
もう僕には余裕がないんだ・・。
全てが夢であったら・・
現実じゃなければいいのにって
そればかり思っている”

ジンの声が涙でにごる。


”どんな現実だったとしても
カナの話を受け止めようと思って。
それで電話したんだ。
でも・・・
無駄だったんだな・・”


「ジンっ・・・
違うのッ・・・」


”カナ・・”


「違うの、本当なの。
シュンはっ・・ポパイはっ・・!
あたし、本当にそう信じてっ・・!!」


”幸せにしてあげられなくて
ゴメンな。”


ジンッ・・・!!!


”落ち着いたら荷物取りに戻る。
それまでにカナも・・・。
{準備}しておいてな”


「やだ!!ジン!!待って!!
ジンっ!あたしを信じて!」


”それじゃ・・”

プツッ..
ツー・・ツー・・ツー・・


一方的に電話を切られ
あたしはガンガンする頭を抱えながら泣き崩れた。

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